指定難病で諦めかけた夢のマイホーム。
でも、夢を夢で終わらせないために――

マイホームは多くの人にとって大きな夢であり、
簡単に手に入れられるものではない。
だが、そのマイホームを手にするのが
ひときわ難しい人たちがいる。
それは何らかの持病を抱えている人たちである。

住宅ローンの審査は団体信用生命保険への加入が条件。
そのため、がん、心臓病、糖尿病など
重度の疾患がある場合は審査が通らず、
住宅ローンを組めないケースが多い。

何年も真面目にコツコツ働いていても
ローン審査が通らず、
泣く泣くマイホームを諦める人たちがいるのである。

2年前に来店された夫婦も
まさにそんな悩みを抱えていた。

そのご夫婦はいわゆる年の差カップルで、
奥さんはまだ若かったものの、
当時は妊娠中で非正規で働いていた。

旦那さんはしっかりとした会社にお勤めだったが、
年齢的に35年ローンが組めるかギリギリのタイミング。
加えて指定難病をお持ちだったのだ。

 

来店されたときから、
そのお二人は他のお客様とは様子が違っていた。

夢のマイホームに心を躍らせて来店される方が多いなか、
二人とも少し疲れた表情を浮かべていたのである。

話を聞いてみると、
今まで何軒もハウスメーカーをまわったが、
すべての会社で住宅ローンが通らないと言われ、
ダメもとで当社を訪れたのだという。


難病をお持ちなら難しい、諦めていただくしかない――。
僕も初めはそう思った。

でも、「マイホームは諦めた方がいいんでしょうね」と、
寂しそうに話すお二人を見て、
できるだけのことはやってみようという気持ちに。

それから僕は提携先の銀行はもちろん、
まったく付き合いのない銀行や
他エリアの地方銀行など、
思いつく限りの金融機関に手当たり次第、
電話を掛けまくった。

そして、ついに難病があっても
住宅ローンが組める銀行を探し当てたのだ。

「この銀行なら住宅ローンが組めると思います」
そう伝えた時の驚きと安堵と喜びが入り混じった
お二人の表情は、きっと一生忘れることがないだろう。


その後、ご夫婦は出産のため家探しを一時中断。
無事にお子さんが生まれ、
夢のマイホームに心躍らせながら、
2年越しに家探しを始めたところだ。

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