
ハウスメーカー・工務店・設計事務所は何が違う?
特徴と傾向を徹底比較
「注文住宅」とは持っている土地や購入した土地に、自分の好みやライフスタイルに合わせた家を自由に設計して建てる戸建て住宅のことです。一方、完成した建物(または完成予定の建物)と土地をセットにした状態で販売しているのが「建売住宅」です。
すでに建てられている家を購入する建売住宅とは異なり、注文住宅はこだわりのデザインや暮らしに合った間取りなど、まっさらな状態から自分だけの理想の住まいをつくり出すことができます。今回はどうやって注文住宅が建てられているのか、注文住宅の建築を手掛けるハウスメーカーの視点から、家づくりの流れを詳しく解説します。
注文住宅を建てるために必要な期間は、一般的に8~15ヶ月程度だと言われており、最短でも6~7ヶ月くらいは掛かります。家の広さや間取り、デザイン、工法によって大きく変動するため、長いと2年以上掛かる場合もあります。
ただし、これはあくまでも家を建てるお客様視点での期間。お客様にとっては、「よし、家を建てよう!」と思ったときから家づくりがスタートするため、注文住宅の情報を収集したり、ハウスメーカーを選んだりする期間(1~2ヶ月程度)も含まれます。
一方、ハウスメーカーの視点では、住宅展示場やモデルハウスにお客様が来場して、家づくりのご相談をいただいたときが家づくりのスタート地点です。そこから、じっくりお客様のご要望をお聞きし、半年から1年くらい掛けて一緒に理想の住まいをつくりあげていきます。
注文住宅の建築は、基本的に下記の流れで進んでいきます。
ここからは、この6つのSTEPに沿って、どのような職種の人がどのように関わりながら、注文住宅を建てているのか、ハウスメーカーの一般的な家づくりの流れを詳しくご紹介します。
関わる職種:営業
住宅展示場やモデルハウスに来場したお客様をご案内しながら、家づくりの要望をヒアリングするのが営業担当者の最初の仕事です。「お客様がどんな暮らしを求めているのか?」「家づくりで何を重視しているのか?」などを把握することが大事。
また、土地を持っていないお客様が多いため、まだ土地が決まっていない場合はインターネットや自社の分譲地などから条件に合った土地を探し、お客様に紹介します。
営業担当者はお客様の希望を叶えるプランを提案するために、主に下記の内容をお客様からヒアリングしています。
営業担当者は土地を紹介するだけでなく、その土地に家を建てられるかどうか確認するために下記の調査も行います。
関わる職種:営業、設計
営業担当者はお客様からヒアリングした内容をもとに、自分で間取り・外観・設備などを考え、プランを作成します。あわせて、資金計画書も作成してお客様に提案。打ち合わせを重ねながら、プラン内容を修正し、プラン内容に合わせて設計担当者が図面を作成します。
また、営業担当者は金融機関へ住宅ローンの事前審査を依頼します。
関わる職種:営業
提案した設計プランに納得いただき、資金計画や土地の条件がすべて整ったら、お客様と建築工事請負契約を締結します。この建築工事請負契約の締結によって、ハウスメーカーは正式にお客様から注文住宅の建築を依頼されたことになります。
また、並行して住宅ローンの本審査の手続きを行います。
関わる職種:営業、設計、インテリアコーディネーター
工事請負契約を締結した後は、設計担当者とインテリアコーディネーターが中心となって、お客様と打ち合わせをしながら、外壁・屋根・床材・水まわり設備・内装・建具・照明・コンセントの位置など、細かな仕様を決めていきます。
ハウスメーカーによっては、営業担当者は同席せず、設計担当者やインテリアコーディネーターに完全に任せてしまうこともあります。
関わる職種:施工管理
設計図が確定したら、いよいよ着工となります。ここからは施工管理が業務を引き継ぎ、家が完成するまでの責任者として工事の進捗や現場管理を行います。
地盤が弱い場合は、初めに地盤沈下や液状化を防ぐ、地盤補強工事を行います。その後、地盤と建物をつなぐ土台(基礎)部分をつくる工事を行います。
大勢の大工さんを集め、建物の骨格となる柱や梁を1~2日で組み上げ、最後に屋根を支える棟木(むなぎ)を取り付けます。骨組みが完成したことをお祝いして上棟式を行います。
建物を雨風から守るために、骨組みに屋根や外壁材を取り付ける外装工事を行います。
建具・押入れ・階段などを造作したり、フローリングなどを貼ったりしながら内装をつくりあげていきます。電気や水道などの配線・配管工事も行います。
クロス貼りなど、内装の仕上げ工事を行います。照明やトイレなど、住宅設備の取り付け工事も行います。
建物ができあがったら社内検査を行い、第三者検査機関による竣工検査を受け、完成となります。
関わる職種:営業、施工管理
建物が完成したら、お客様と一緒に最終チェックを行います。施工管理者が設備の使い方などをお客様に説明し、営業担当者が契約上の最終確認を行ったうえで、お引き渡しとなります。
注文住宅の建築は、期間が半年~1年くらいにおよぶ、長期的なプロジェクトです。そのなかで、営業担当者はお客様の想いや希望を汲み取り、設計担当者はその想いを図面化し、施工管理者は図面通り形にしていく役割を担っています。
また、実際の建築工事には大工、型枠職人、電気工事士、左官職人、内装職人、設備屋など、さまざまな分野の職人さんが関わります。誰が欠けても、お客様にとっての理想の住まいを完成させることはできず、各分野のプロフェッショナルが連携を取りながらチームで一つの住宅をつくりあげていきます。
そして、ハウスメーカーとお客様との繋がりは引き渡し後も続いていきます。ハウスメーカーはアフターサービスにも力を入れており、多くの会社が長期無料保証・定期点検・メンテナンスなど各社独自のサービスを提供しています。ハウスメーカーで働く人たちにとって、引き渡しは一番大きな感動とやりがいを味わえる瞬間ですが、お客様のその後の暮らしを知れるのも嬉しいポイントです。
なお、ALLAGIもアフターサービスに力を入れており、社内に点検・メンテナンス・修繕などを専門に行う部署を設けています。売って終わり、建てて終わりではなく、お客様との長いお付き合いを大切にしています。
いかがでしたか?この記事を通じて、注文住宅がどのように出来上がっていくか、おわかりいただけたのではないでしょうか。
なおALLAGIには、自社ブランドの「STYLE HOUSE」「BASE HOUSE」、FC加盟の「桧家住宅」と注文住宅事業だけで3つのブランドがあり、お客様のニーズに合わせ、多様な家づくりを行っています。また、不動産売買仲介事業、宅地分譲事業なども展開しており、事業部間の連携によって、家づくりをワンストップでサポートできる体制を整えています。
住宅建築には、実に多くのステップがあり、多くの人たちが関わっています。家づくりには時間もエネルギーも必要ですが、だからこそみんなで力を出し合ってオンリーワンの家を完成させたときの感動は格別。住宅建築の業界には、営業、設計、施工管理、インテリアコーディネーター、職人など、多種多様な職種があるので、家づくりに関わる仕事がしたい方はぜひ参考にしてみてください。