
ハウスメーカー・工務店・設計事務所は何が違う?
特徴と傾向を徹底比較
不動産業界と聞くと「ノルマがきつい」「労働時間が長くてハード」など、ネガティブなイメージを抱く人は少なくないはず。実際に不動産業界の営業で検索すると「きつい」「やばい」「やめとけ」なんてワードが出てくることも。すっかりブラックなイメージが定着してまっている不動産業界ですが、果たして本当にブラックなのでしょうか?
この記事では不動産業界の営業がブラックと言われる理由を解説しながら、真相を解き明かしてしていきます。
まずは、なぜ不動産業界がブラックと言われるのか、その理由をご説明します。ただし、ここで述べる理由はあくまでも一般論。すべての会社に当てはまるわけではありません。
不動産業界の営業は、顧客が個人客のケースが多いため、顧客のライフスタイルに合わせて営業活動を行う必要があります。平日は仕事で時間が取れない顧客が多く、土日に商談が集中するため、週末は休めないのが当たり前。そのため、不動産業界では多くの会社が火曜・水曜を定休日にしていますが、顧客から「火曜・水曜に打ち合わせをしたい」と言われれば、なかなか断れず、休日出勤になることも珍しくありません。また、顧客の仕事が終わってから商談をすることもあり、どうしても残業が多くなりやすい傾向にあります。
不動産業界に限らず、どの業界でも営業職であれば、少なからず営業ノルマや売上目標が設けられているものです。そのため、営業ノルマがあること自体は決して珍しいことではないのですが、「不動産業界は営業ノルマが厳しい」と言われるのは、扱う商材が高額なだけあって、達成するのが難しいノルマを課せられる場合があるからです。会社によっては個人の営業成績を目立つ場所に掲示しているところもあり、達成できないと、居心地の悪さや強いストレスを感じることがあります。
不動産業界は歩合給を導入している会社が多く、個人の営業成績が給与に反映されます。「完全歩合制(固定給なし)」「固定給+歩合給」など、給与の仕組みは会社によってさまざまですが、成果を出せなければ給与が下がるため、精神的なプレッシャーは大きいはず。もちろん、成果を出せば驚くほど高額の給料を貰えることもありますが、安定して稼ぎ続けるのはなかなか大変でしょう。
不動産営業はストイックな性格の人が多いこともあって、体育会気質な会社が多い傾向にあります。ひと昔前は「契約を取るまで帰らせてもらえなかった」「何時間も叱責された」「みんなの前で怒鳴られた」なんてことも。最近はハラスメントに対する意識が高まっているとはいえ、まだまだ古い体質から抜け出せず、パワハラが横行している会社があるのも事実です。
不動産業界には厳しい部分がある一方で、不動産営業には他の業界にはない魅力もたくさんあります。ここでは不動産営業のポジティブな要素をご紹介します。
不動産営業は、頑張った分だけ収入に反映される仕組みが整っています。たとえば1件の契約で数十万円~百万円以上の歩合が支給されることもあり、20代で年収1,000万円以上稼いでいる人も珍しくありません。他の業界では年功序列の会社もたくさんありますが、不動産業界は「成果主義」「実力主義」の世界。年齢・性別・社歴に関係なく、誰でもキャリアアップや収入アップを目指すことができます。
不動産営業の仕事は、不動産に関する知識だけでなく建築・法律・金融など、さまざまな専門知識を身につけることができます。宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーの資格を取得する人も多く、これらの知識・資格を活かして、他業種に転職したり、独立したりすることもできるでしょう。また、高額な商材を扱うため、交渉力や提案力といった営業スキルも身につけることができます。
不動産営業は顧客の人生や生活に深く関わる仕事です。特に「家を買う」「家を売る」といった不動産売買は顧客にとって、人生の節目となる重要な出来事です。顧客のこれからの暮らしに大きな影響を及ぼすため、一人ひとりとじっくり向き合い、揺るぎない信頼関係を構築していく必要があります。簡単な仕事ではありませんが、だからこそ大きなやりがいを感じることができます。
最近は終身雇用制度の衰退によって転職が当たり前の時代になり、離職者が出ることが必ずしも悪いわけではありません。でも、続々と社員が辞めていく会社は、やはりブラック企業と言われてしまいがち。不動産業界も離職者が多い業界だと思われていますが、実際のところはどうなのでしょう?
実は不動産業界の離職率は際立って高いわけではありません。「令和5年 雇用動向調査結果の概要」によると、業種別の離職率は以下の通り(上位6業種をピックアップ)。不動産業界は全16業種中で6位となるため、やや高めではありますが、全業種の平均(16.4%)は下回っています。もちろん、もっと離職率の高い業種はたくさんありますが、他業種と比べて突出して高いわけではありません。
なお、参考までに「電気・ガス・熱供給・水道業」「鉱業、採石業、砂利採取業」「金融業、保険業」などの業種は離職率が低く、10%を下回っています。
不動産業界の営業がブラックと言われるのには、それなりの理由があるのは事実です。でも、その多くは“成果主義”だからこその厳しさであり、すべての会社をブラックと決めつけてしまうのは少し気の毒です。最近は不動産業界でも働き方改革が進んでおり、以下のような取り組みを行う会社も増えています。
実際、ALLAGIの場合も完全週休2日制(火・水休み)で、GW・夏季・年末年始の長期休暇がしっかり設けられています。毎日20時になるとパソコンが強制的にシャットダウンするため、残業はあっても1日1時間程度です。また、成果が出さないと給料が貰えないような歩合給ではなく、固定給を採用しているため、月々の給与が大きく変動することもありません。仕事の成果を賞与で還元しているため、高収入を得ることもできますが、不安定な歩合給とは違って、数字のプレッシャーに日々追われるような感覚はないでしょう。
ひと昔前と比べるとホワイトな会社が増えているため、会社選びさえ間違えなければ、不動産営業は十分にやりがいを持って働ける仕事だと思います。
不動産業界の営業は本当にブラックなのか?その結論は「会社による」です。不動産業界にブラックな会社があるのは事実ですが、不動産業界だからといって過度に警戒する必要はないでしょう。
なお、先述の通り、不動産業界の離職率は平均15.0%ですが、ALLAGIの離職率はわずか10%。不動産業界のネガティブなイメージを払拭するため、NO残業デー、バースデー休暇、長期休暇取得制度などの制度を続々と導入しており、ホワイトな労働環境をつくりだすことで高い定着率を実現しています。
不動産営業は仕事のやりがいや収入面で魅力的な要素が多いため、「高収入を目指したい」「人と深く関わる仕事がしたい」「実力主義の会社で働きたい」という方なら一つの有力な選択肢になるはず。ぜひ、不動産業界への理解を深め、労働環境などをしっかりチェックしながら、自分に合った会社を見つけてください。