不動産管理の営業職！
「賃貸管理(PM)」と「建物管理(BM)」の仕事を徹底解説

「賃貸管理(PM)」と「建物管理(BM)」は何が違う？

賃貸管理（PM）と建物管理（BM）はどちらも不動産オーナーに代わって物件を管理する仕事です。
ビルやマンション、アパートなどの不動産を所有していると、入居者を募集したり、入退去の手続きをしたり、建物を修繕したり、さまざまな管理業務が発生します。

でも、不動産オーナーがこれらの業務を自分でこなすのは大変なため、不動産管理会社に管理業務を委託するのが一般的。
不動産オーナーに代わって物件を管理するのが賃貸管理や建物管理の仕事で、不動産業界では管理営業と言われることもあります。

なお、賃貸管理と建物管理はアパートなどの物件を管理する点は同じですが、管理する部分に大きな違いがあり、仕事内容も異なります。

賃貸管理（PM）の仕事内容

賃貸管理はひと言で表すと、物件の「収益」を管理する仕事です。
賃貸管理は空室を埋めたり、適正な賃料を維持したり、資産価値を高めたりするのが主なミッションで、物件の収益最大化を図る経営者のような役割を担っています。

建物管理（BM）の仕事内容

一方、建物管理はひと言で表すと物件の「品質」を管理する仕事です。
建物そのものの品質や安全性を維持管理するのが建物管理の主なミッションで、設備の点検・保守を行ったり、修繕工事に立ち会ったり、技術職的な色合いの濃い仕事です。

「賃貸管理（PM）」と「建物管理（BM）」の給与や待遇の違い

賃貸管理の年収相場は350～550万円くらい、建物管理の年収相場は300～500万円くらいで、年収相場は賃貸管理の方がやや高めです。
ただし、経験・資格・役職などによって、給与アップを目指せるため、勤続年数が長くなればなるほど収入が上がっていく傾向にあります。

なお、不動産売買仲介や不動産賃貸仲介などの営業職には、基本的にインセンティブ制度がありますが、賃貸管理や建物管理などの管理営業はインセンティブ制度を設けていないケースがほとんどです。

管理営業の休日事情や働き方について

不動産業界は平日休みが主流ですが、管理業務に特化している不動産会社の場合は土日休みが多い傾向にあります。
ただし、建物管理はシフト制勤務になることも多く、担当する物件によっては夜勤や宿直が発生する場合もあります。

特に商業施設、ホテル、病院など、24時間稼働している建物を担当する場合、緊急トラブルが発生すると夜間や休日でも呼び出しが入ることがあります。

また、建物管理の仕事はGW・夏季・年末年始休暇も取りづらい傾向にあり、まとまった休みは時期をずらして交替で取得する会社が多いようです。

管理営業で収入アップを目指すには？

賃貸管理や建物管理の仕事には基本的にインセンティブ制度がないため、短期間で収入を上げるのは難しいでしょう。
ただし、経験年数や昇進・昇格で着実に給与が上がっていく会社が多く、資格手当で収入アップを目指すこともできます。

「賃貸管理（PM）」や「建物管理（BM）」に向いている人の特徴

賃貸管理と建物管理はいずれも不動産オーナーや協力業者、入居所など、色々な人と関わるため、どちらの仕事もコミュニケーションを取るのが好きな人にオススメです。

ただし、似通った部分があるとはいえ、賃貸管理と建物管理の仕事は求められる役割が根本的に異なり、必要なスキルや働き方にもかなり違いがあります。
それぞれの違いを理解したうえで自分に合った仕事を選ぶようにしましょう。

「賃貸管理（PM）」に向いているのはこんな人！

賃貸管理は経営に興味がある方や不動産知識を身につけたい方にとっては、学びに繋がることが多く、楽しく仕事ができるでしょう。

ただし、家賃回収や入居者のクレーム対応など、精神的に負担のかかる業務もあるため、ストレス耐性の低い人や気持ちを切り替えるのが苦手な人は注意が必要です。

「賃貸管理（PM）」に向いているのはこんな人！

空調・電気・給排水など建物設備の専門知識を身につけたい方や、資格を取得したい方は意欲的に仕事に取り組めるはずです。

ただし、建物管理の仕事は緊急対応や夜勤などで、勤務が不規則になりがち。「絶対に土日休みがいい」「夜勤はやりたくない」など、働き方へのこだわりが強い人は注意が必要です。

まとめ

いかがでしたか？
賃貸管理や建物管理といった管理営業は、不動産オーナーや入居者から直接感謝の言葉をいただけたり、入居者に快適な生活環境を提供したり、不動産経営に貢献したり、他の不動産営業では味わえない、この仕事ならではのやりがいや面白さがあります。

また、不動産売買仲介や不動産賃貸仲介のようにガツガツ数字を追いかけるスタイルの仕事ではないため、「不動産営業って厳しそうでちょっとハードルが高いな」と思っている人も安心して始められるはず。
もちろん賃貸管理と建物管理でも、仕事内容にはかなり違いがありますので、ぜひ自分に合った仕事を見つけてみてください。

なお、建物管理の仕事は「アパートやマンションがメイン」「商業施設やオフィスビルがメイン」など、扱っている物件の種類によって仕事内容が大きく異なるため、就職先を探す際は管理物件の種類をチェックするようにしましょう。

また、不動産管理を行っている会社のなかには管理業務だけでなく、仲介業務など、多角的に事業を展開している会社もあるので、「将来的には色々な仕事に挑戦したい」「仲介営業にも興味がある」という方は、そういった会社を選ぶと良いでしょう。