
誰よりも地域に詳しくなるため、スーパーの価格帯まで調べ尽くす
T.K
私は新卒で不動産会社に入社し、賃貸営業を2年経験した後に、大手不動産会社に転職し、売買仲介の営業をスタートしました。
でも、前職の大手不動産会社はエリア制を導入しており、問い合わせの多いエリアを担当するのはトップ営業。若手に割り振られるのは郊外エリアで、お客様に会うチャンスすらありませんでした。
しばらくして高槻エリアを担当することになったものの、前任者の先輩から言われたのは「お前、そのエリアじゃ稼げないよ」という言葉。でも、「それはあいつがシェアを獲っていなかったからだ」と上司に言われ、「これはチャンスだ、自分はこのエリアで名を残してやる」と死ぬ気で頑張ることを決意しました。
高槻エリアで初めて担当したのは、家の売却のご相談でした。でも、そのお客様は寝屋川のマンションへの転居を希望されており、マンションが買えたら家を売るという条件付き。「いい物件情報がでたら紹介しますよ」は、どこの不動産会社でもやっていること。それ以上のことをしなければと、購入希望のマンションに週2回チラシを入れに行き、売却してくれる方を探し出しました。その結果、お客様のマンション購入と家の売却、いわゆる“玉突き契約”の獲得に成功。
その後も真剣にお客様と向き合い、3年目には高槻エリアでシェア20%を獲得。ちなみに、業界内では高いシェア率の基準が12%と言われており、当時は周りから「あいつが高槻の相場をつくっている」「いい物件はすべてあいつが預かっている」なんて言われていましたね。
20代半ばで年収1000万円を超え、年間60件くらいは売買仲介契約を獲得していたと思います。成績優秀者の表彰パーティーにも毎回のように参加していましたが、それが当たり前になり、段々と物足りなさを感じるように。
いま振り返ると自分のなかで新しい挑戦ができておらず、目標を見失っていたんです。もっと新しいことに挑戦したいという気持ちが芽生え、大手不動産会社への転職を考えていましたが、先輩から「それでは大きな変化はない」と言われ、不動産売買仲介事業の立ち上げメンバーを募集していたALLAGIに転職することに。
当時のALLAGIは社員数50名くらいの会社で、大手ではない環境下で自分の力を試したいと思ったんです。入社の際、社長からは結果が出なければ人を増やせないと言われていましたが、しっかり結果を出し、人員もエリアも拡大。現在は売買仲介事業の責任者として事業部を運営しており、ALLAGIではエリア制ではなく、問い合わせ順に担当を割り振る、振り分け制を導入し、チームワーク重視で仕事をしています。
この仕事で最も重要なのは、どれだけお客様の本音を引き出せるか。「今が売り時ですよ」なんて営業トークをする人もいますが、不動産売買はお客様の本気度が違うため、それじゃ通用しない。私の場合、「そもそも何故、売却を考えられたのか?」という話が8割、営業的な話は2割くらいしかしません。
また、税金や法律などの知識があれば、それも武器になります。「この人は有益な話をしてくれる人」と、お客様に思ってもらえるわけですからね。私自身、雄弁なタイプではありませんし、話上手である必要はありません。人間力が問われる仕事ですし、活躍の秘訣は『誠実さ・素直さ・ヒアリング力』の3つに尽きると思います。